ベルトランのパラドックス
確率論の分野のネタ。確率論の奥深さを物語る奇妙な事実をここで紹介する。
単位円(半径の長さがの円)周上にでたらめに弦を引いた時、その弦の長さが円に内接する正三角形の辺(長さ)よりも長くなる確率を求めよ。
考え方 | 回答 | |
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【考え方1】三角形の一つの頂点Aを端とする弦を考えると、その弦がより長くなるのはもう一方の端は弧BCの上の時だけ…弧BC/円周ABCなので1/3 |
1/3 | |
【考え方2】円内の一点Xを考える。Xを通り、Xと円の中心Oを結ぶ線分OXに直行する弦が1つ定まる。弦がより長くなるのは、点XがO中心半径半分の円の中の時だけ。つまり、半径半分の円板の面積/元の円板の面積で1/4 |
1/4 | |
【考え方3】y=0の直径上の点(p,0)に対して、直交する直線x=pと単位円板の交わりによって弦が定まる。その弦がより長くなるのはpが区間[-1/2,1/2]にある時なので、1/2 |
1/2 | |
【考え方4】考え方1の図の円を輪ゴムのようなものと考えて弧ABと弧CAは固定したまま弧BCだけを真下に引き延ばした曲線を考える。弧ABとBCを伸ばした曲線と弧CAが閉じた曲線Lをなす。AとBCをL上の点Xのを通る直線AXが、円Oと交わる点をDとすると弦ADが定まる。 この決め方だと、長さより長いのはXが伸ばしたBC上にあるときなので、(全体-有限部分)/閉じた曲線L全体になるので、曲線BCを伸ばせば伸ばすほど1に近づく。よって、1/3から1の間の任意の値。 |
1/3から1の間の任意の値 |
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【考え方5】考え方1の図の円を輪ゴムのようなものと考えて弧ABCは固定したまま弧CAだけを右上に引き延ばす。弧ABCとCAを伸ばした曲線とが閉じた曲線Lをなす。AとBCをL上の点のを通る直線AXが、円Oと交わる点をDとすると弦ADが定まる。この決め方だと、長さより長いのはXが弧BCにあるときなので、有限の長さを持つ弧BC/閉じた曲線L全体になるので、曲線CAを伸ばせば伸ばすほど0に近づく。 よって、1/3から0の間の任意の値。 |
0から1/3の間の任意の値 |