PならばQの真偽値について

「命題」とは意味のある文で、その意味が事実にあうか、事実に合わないかが判定できるものです。事実に合う意味を持つ命題を、事実に合わない意味を持つ命題をといって、命題から定まるこの真偽のことを真偽値といいます。

命題Pから命題「〜P」=「Pでない」という命題を定めることができます。Pと〜Pの真偽値は、反対になります。表にすると以下のようになります。

Pの真偽値 〜Pの真偽値

また、命題P、命題Qに対して命題「PまたはQ」、命題「PかつQ」が考えられます。「PまたはQ」はPかQのどちらかが真であれば真となる命題と定めます。「PまたはQ」はPかQのどちらも真であるときのみ真となる命題と定めます。

Pの真偽値 Qの真偽値 PまたはQの真偽値 PかつQの真偽値

ここまではとても自然に思えると思います。

命題P、命題Qに対して命題「PならばQ」を考えるとき、一般的な論理学ではこの真偽値を以下のように定めるそうです。

Pの真偽値 Qの真偽値 PならばQの真偽値

「PならばQ」の真偽値は、「〜PまたはQ」と一致します。すなわち、Pが偽であればQの真偽にかかわらず、「PならばQ」は真となります。また、Qが真である場合にも、Pの真偽にかかわらず「PならばQ」は真となります。
たとえば、P=「犬は猫である」(偽)、Q=「月は太陽である」(偽)を適用した命題「犬は猫であるならば、月は太陽である」は真となるのです!また、P=「犬は猫である」(偽)、Q=「月は星である」(真)を適用した命題「犬は猫であるならば、月は星である」も真となります。ほかにも「1=2ならば1=1」も「1=2ならば0=100」も真となるのです!
なぜ、通常の論理学では、「PならばQ」の真偽値をこのように定めるのでしょうか。
論理学ご専門の方または説明できる方、ぜひとも私にこの理由をご教示ください!